レーザー治療とは
- 目を切り開かずに、目の中の狙った場所に光を当てて行う治療です。多くは外来で受けられ、目薬の麻酔をして専用のレンズを目に当てて行います
- 目的の違う3つの治療があります。白内障の手術のあとに濁った膜を開く治療、目の奥(網膜)の病気が進むのを抑える治療、緑内障で眼圧を下げる治療です
- 目の奥へのレーザーは、悪くなるのを防ぐための治療で、元の見え方に戻す治療ではありません。受ける前に、何を目指す治療かをご確認ください
こんな症状はご相談ください
- 白内障の手術のあと、また白っぽくかすんできた
- 網膜に穴や薄い部分があると言われた
- 糖尿病の目の検査で、網膜に変化があると言われた
- 網膜の血管が詰まっていると言われた
- 緑内障の目薬を使っているが、眼圧が十分に下がらない
- 目の中の水の出口(隅角)が狭いと言われた
症状をもっと詳しく
- 白内障の手術のあと、また白っぽくかすんできた
- 網膜に穴や薄い部分があると言われた
- 糖尿病の目の検査で、網膜に変化があると言われた
- 網膜の血管が詰まっていると言われた
- 緑内障の目薬を使っているが、眼圧が十分に下がらない
- 目の中の水の出口(隅角)が狭いと言われた
レーザーが合うかどうかは、病気の種類と進み方で決まります。
同じ病気でも、目薬・目の中への注射・手術を選ぶことがあります。
次のような変化が急に起きたときは、様子を見ずにその日のうちに眼科を受診してください。
- 黒い点や糸くずのようなものが急に増えた、光が走って見える
- 見える範囲の一部が欠けた、急に見えにくくなった
- 目が強く痛み、頭痛や吐き気がある
これらは網膜が裂けたときや、眼圧が急に上がったときに起こることがありますが、ほかの原因も考えられます。
症状だけでは原因が決まらないため、検査で確かめる必要があります。
早く受診したほうが、選べる治療が多く残ります。
原因とタイプ
白内障の手術のあとの濁りに行うレーザー
白内障の手術では、水晶体を包んでいた薄い袋を残し、その中に人工のレンズ(眼内レンズ)を入れます。
手術の数か月から数年後に、この袋の後ろ側が濁ることがあり、後発白内障と呼びます(出典: 日本眼科学会「後発白内障」)。
人工のレンズそのものが濁るわけではありません。YAG(ヤグ)レーザーで濁った膜に穴を開け、光の通り道を作ります。
目の奥(網膜)の病気に行うレーザー(網膜光凝固)
網膜に小さな光を当てて熱を加え、点状に固める治療です。目的は病気によって違います。
- 網膜に穴(裂け目)がある、はがれ始めたばかりのとき — 周りを固めて、はがれが広がるのを抑えます。裂け目ができそうな薄い部分に、前もって行うこともあります
- 糖尿病網膜症、網膜の静脈が詰まる病気のとき — もろい新しい血管(新生血管)ができるのを防ぐ、できた血管を減らすために行います
- 網膜の血管のこぶなど、異常な血管があるとき — その血管に直接当てて固めます
当てる数と範囲は、病気の進み方によって変わります。
緑内障に行うレーザー
- 目の中の水の出口が広い型(開放隅角) — 出口の組織に光を当てて水を流れやすくし、眼圧を下げます。繰り返し行うことができます
- 目の中の水の出口が狭い型(閉塞隅角) — 虹彩(茶目)の端に小さな穴を開けて、水の新しい通り道を作ります
- 目の中の水を作る部分(毛様体)に当てて、眼圧を下げる方法もあります。ほかの手術が難しい場合などに検討します
検査の内容
レーザーが必要かどうか、どこに当てるかを決めるために、目の状態に応じて次の検査を行います。
- 視力検査
- 眼圧検査
- 目の表面と中を拡大して見る検査
- 目の中の水の出口(隅角)を見る検査
- 瞳を広げる目薬を使う目の奥の検査
- 網膜の断層撮影(OCT)
- 視野検査
目の奥の検査と、目の奥へのレーザーでは、瞳を広げる目薬を使います。
効いている間はまぶしく、手元が見にくくなります。効き方には個人差があります。
その間は車・バイク・自転車の運転ができません。
治療の選択肢
レーザーは選択肢の1つです。病気の種類と進み方によって、目薬・目の中への注射・手術を選ぶこともあります。
レーザー治療の受け方
目薬の麻酔をしてから、専用のレンズを目に当てて光を当てます。多くは外来で行います。
目の奥に当てる場合は、瞳を広げる目薬も使います。
照射の間は、目を動かさずにいる必要があります。難しいときは事前にご相談ください。
期待できること・できないこと
- 後発白内障へのレーザー — 濁りがなくなり、見え方の改善が期待できます。ほかの目の病気があると、改善が限られることがあります
- 網膜へのレーザー — 病気が悪くなるのを抑えることが目的です。見え方を良くする治療ではありません。治療のあとも進むことがあり、追加の治療が必要になることがあります
- 緑内障へのレーザー — 眼圧を下げることが目的です。すでに欠けた見える範囲は戻りません。眼圧を下げる力は、切って行う手術ほど高くありません
レーザー以外の治療
- 目薬 — 多くの緑内障では、目薬で眼圧を下げることが治療の基本です
- 目の中への注射 — 網膜のむくみなどに対して行うことがあります
- 手術 — 目薬やレーザーで十分でないときなどに検討します
どの方法を選ぶかは、検査の結果と生活の状況をうかがって決めます。
注意事項とリスク
治療をしないでいた場合
- 網膜に穴や薄い部分があると、網膜剥離に進むことがあります
- 糖尿病網膜症が進むと、目の中に出血したり、網膜がはがれたりすることがあります
- 目の中の水の出口が狭いと、眼圧が急に上がることがあります
- 後発白内障は、見えにくい状態が続きます
治療で起こりうること
- どのレーザーにも合併症があります。治療の前より見え方が悪くなることがあります
- 網膜に多くの光を当てる場合は、鈍い痛みを感じることがあります
- 虹彩に穴を開けるレーザーのあとに、角膜の内側の細胞が傷むことがあります。重い場合は、角膜の移植が必要になることがあります
- 毛様体に当てるレーザーでは、強い目の痛みや重い合併症が起こることがあります
- 合併症の内容と起こりやすさは、治療の種類と目の状態によって違います。受ける前にご説明します
結果の限界
- 網膜へのレーザーは、悪くなるのを防ぐための治療です。糖尿病網膜症では、多くの場合、治療のあとの視力は変わらないか、むしろ下がります(出典: 日本眼科学会「糖尿病網膜症」)
- 緑内障へのレーザーで眼圧が下がっても、すでに欠けた見える範囲は戻りません
- 効果と感じ方には個人差があります
生活について
- 瞳を広げる目薬を使ったあとは、運転ができません。治療の日は、公共交通機関かご家族の送迎でお越しください
- 治療のあとの過ごし方は、治療の種類によって違います。指示が出るまで、自分で判断しないでください
- 緑内障の目薬は、レーザーのあとも自分の判断でやめないでください
- 治療のあとに強い痛みや、急な見えにくさが出たときは、すぐにご連絡ください
通院の回数と期間
- 診察と検査で、レーザーが必要かどうか、どこに当てるかを決めます
- 目的、起こりうること、ほかの選択肢をご説明します。その場で決めなくてもかまいません
- 治療のあと、目の状態を確かめる受診をします
- 病気の進み方によって、追加でレーザーを行うことがあります
- レーザーのあとも、もとの病気の経過を見る通院が続きます。緑内障では目薬と眼圧の確認が続きます
間隔は目の状態によって変わります。見え方が変わったと感じたときは、次の予約を待たずにご相談ください。
費用の目安
このページで扱う3つのレーザー治療には、公的医療保険が使えます。
自己負担の割合は、年齢と所得によって1割・2割・3割に分かれます。保険証(またはマイナンバーカード)をお持ちください。
治療の費用のほかに、診察と検査、目薬の費用がかかります。
費用は治療の種類によって変わります。実際の金額は受診時にご確認ください。
1か月の自己負担が高額になったときは、高額療養費制度で払い戻しを受けられる場合があります。加入している健康保険の窓口にご相談ください。
受診の目安とご持参いただくもの
早めに受診したほうがよい状態
- 白内障の手術のあと、また見えにくくなってきた
- 網膜に穴や薄い部分があると言われたまま、時間がたっている
- 糖尿病があり、目の検査をしばらく受けていない
- 緑内障の治療を中断したまま時間がたっている
その日のうちに眼科へ
次のようなときは、その日のうちに受診してください。
- 黒い点や糸くずのようなものが急に増えた、光が走って見える
- 見える範囲の一部が欠けた、急に見えにくくなった
- 目が強く痛み、頭痛や吐き気がある
症状がなくても
糖尿病網膜症と緑内障は、初期には自覚症状がほとんどありません。
糖尿病のある方は、症状がなくても年1回の目の奥の検査が推奨されています(出典: 日本眼科学会「糖尿病網膜症」)。
受診のときのお願い
- お薬手帳と、いま使っている眼鏡をお持ちください
- 瞳を広げる目薬を使うことがあります。車・バイク・自転車でのご来院は避けてください
当院の対応
ここだけが医院ごとに変わる内容です。
院内で行える検査
屈折検査、眼圧検査、視野検査、眼底検査、OCT検査、角膜形状解析。
連携している医療機関
日本医科大学多摩永山病院、東京都立多摩総合医療センター、杏林大学病院、稲城市立病院。
受付
Web予約と、ご予約なしのご来院の両方に対応しています。
よくあるご質問
レーザー治療は手術ですか。目を切りますか。
目を切り開かずに、光を当てて行う治療です。多くは外来で受けられます。切らない治療でも、合併症が起こることはあります。治療の種類ごとにご説明します。
レーザー治療は痛いですか。
治療の種類によって違います。多くのレーザーは、強い痛みが出ることは多くありません。網膜にたくさん当てる場合は、鈍い痛みを感じることがあります。毛様体に当てる方法では、強い痛みが出ることがあります。感じ方には個人差があるため、つらいときはお伝えください。
レーザーを受けたら、見えるようになりますか。
目的によって違います。後発白内障へのレーザーは、濁りを取ることで見え方の改善が期待できます。網膜へのレーザーは悪くなるのを抑える治療で、見え方を良くするものではありません。緑内障へのレーザーは眼圧を下げる治療で、欠けた範囲は戻りません。
白内障の手術を受けたのに、また見えにくくなりました。
人工のレンズを支えている膜が濁る後発白内障の場合、レーザーで対応できることがあります。ほかの原因の場合もあるため、まず検査で確かめます。
緑内障のレーザーを受ければ、目薬はやめられますか。
やめられるとは限りません。眼圧を下げる力は、切って行う手術ほど高くありません。目薬を続ける必要が残ることがあります。自分の判断でやめないでください。
そのほかのご質問(2件)
治療の日は車で行けますか。
ご自身での運転は避けてください。瞳を広げる目薬を使うと、効いている間はまぶしく、手元が見にくくなります。公共交通機関か、ご家族の送迎でお越しください。
レーザー治療に保険はききますか。
このページで扱う3つのレーザー治療には、公的医療保険が使えます。費用は治療の種類によって変わります。実際の金額は受診時にご確認ください。
このページの医療内容の監修
篠塚 康英(院長/日本眼科学会 眼科専門医, 医学博士)
監修日が入っていません。監修した医師と監修日がそろうまで、このページは公開しません。
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